実はわたし、結婚してます
ストロベリーキス
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まあまあまあ!目の前にはイチゴのショートケーキに、イチゴのムース、イチゴのロールケーキに、イチゴのパフェ、そして籠いっぱいのイチゴがあるじゃないですか〜!
なんて素敵なんでしょう。イチゴ三昧なんて夢にまで見た夢!
「いただきまーす!ん?」
ふぎゃあああああぁぁん!!
へ?あれ?イチゴはどこでしょう?いちごいちごいちご・・・。もしかして、夢にまで見た本当に夢だったってことですかーーー!!
そんなぁぁぁぁ。
思いっきり起き上がると、隣で悠斗がギャン泣き中。
「悠斗〜!!どうしてくれるのーー。わたしのイチゴちゃん〜!!」
悠斗を抱っこし優しく揺らしながら声をかけます。が、こんなこと悠斗に愚痴ったってしょうがないんですけどね。
そういえばなんでわたし夢なんて・・・
あああああ!そうですよ。悠斗がお昼寝しちゃったから、わたしもちょっと横になってようと思って横になってたら思いっきり寝ちゃったんですよ。
「悠斗、お腹すいたね〜。」
授乳をして、時計を見るとまだ昼過ぎ。これから買い物に行って、ついでにイチゴを買ってきましょう。だって、今日はもうイチゴな気分なんですもん。
イチゴ一色だったわたしは悠斗を抱っこしてスーパーへ。そしてイチゴを2パック買って帰りました。ほら、一応旦那様にも食べさせてあげなければいけませんからね。
帰り道、のんびり寄り道しながら歩いていると、一台の車が止まりました。
「ユリアさん!」
「千穂ちゃん、いいところで会ったわ。さぁ乗って乗って。」
「え?」
玲斗のお母様に強引に車に乗せられてしまいました。
悠斗を後ろのベビーシートにのせて、わたしはその隣に座りました。ユリアさんはわざわざ悠斗のためにベビーシートを購入してくださったようで、いつでも乗れるようにしてくれているんですよね。
「本当はね、これからお茶でもしましょ、って言いたいのだけど、お仕事が詰まってて、これ、わたしのお気に入りのお店のスイーツなの。持って帰ってね。」
そういって、助手席にあったケーキの箱をわたしに見せました。
自宅マンションまで送ってもらい、ケーキまでもらって、わたしは何度もお礼を言って別れました。
家に帰って、ケーキの箱を開けてみると・・・
「わ、いちごのケーキ!!」
目に飛び込んできたのはイチゴがたっぷりのったホールサイズのケーキです。
「おいしそう・・・。」
じーっと見つめていると、ピンポーンとインターホンが鳴りました。宅配便です。
「はいはいはーい。」
荷物は実家からのようです。
一体なんでしょう。
開けてみると・・・。
「わあああああ。」
ぽかーんとしている悠斗の横でわたしはビックリ仰天。
「い、いちごー!!」
高級そうなイチゴのパックが8つも入っているではありませんか。
一体全体どうしたことでしょう。
もしかして今日見た夢は正夢!?予知夢?!
確かにイチゴな気分で、イチゴが食べたかったのはヤマヤマなんですけど、こんなに大量のイチゴなんて・・・夢のようで夢じゃないんですよ、今度は。
「悠斗ー、夢じゃないよね。」
「あややややや。」
「そうよねー、夢じゃないよねー。」
ほら、悠斗も夢じゃないって!
それにしてもどうしましょう、こんなにたくさんのイチゴ。
とりあえず国府田さんにおすそ分けして持って帰ってもらうとして、あとは、イチゴジュースとか、あとイチゴのヨーグルトとかだったらすぐに作れますよね。
大量のイチゴを目の前に、あれこれ考えながら時間は過ぎてゆくのでした。
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