実はわたし、結婚してます



【もしも玲斗と千穂が教師と生徒だったら】




「千穂、お前寝るなよ。」

先生の運転する車の助手席で、わたしは思わずうとうとしてしまいました。
だって、たくさん頭を使った挙句、あんな・・・あんなことをして・・・眠くならないはずないじゃないですかー!
しかも車の中暗いし、あったかいし・・・これで眠るなってほうが難しいですよ。
先生ってなんでこんなにえっちなんでしょうか。
そうですよ・・・この車の中でだって・・・何度・・・ってきゃー!わたしってば何を思い出しているのでしょうか。

「先生・・・明日も・・・そのするの・・・?」
「なにを?」

なにをって・・・わかってるくせになんでこんなこと聞いてくるんですか!
絶対わたしの口から言わせたくていってるんですよ。

「えっち・・・。」

「したいのか?」
「い、いえ・・・」
したいようなしたくないような・・・。

「千穂が真面目にやらないからだろ。飯のことばっかり考えて。」
「えっ・・・ど、どしてそれを。」
「千穂の考えてることくらいだいたいわかる。」
「そ、そんな。」

だったらやっぱり意地悪なこと聞く必要ないじゃないですかー!

「まあ襲われたくなければ真面目に問題をこなすことだな。」
「う・・・。がんばりマス。」

そうこうしているうちに自宅の前に着いてしまいます。
先生はそっけなく手を振るので、わたしも当たり前のように車を降ります。

「先生、ありがとうゴザイマシタ。」
「じゃあな。」

わたしは先生の車が走り去って見えなくなるまで見送ってから自宅に入ります。
だって、やっぱり好きな人を最後まで見送りたいのです。
本当は凄く好きで好きで好きで・・・離れたくないんですけどね。
ずっとずっと一緒にいてほしいのです。
でも、先生は先生だから・・・仕方ありません。

「ただいまー。」
「おかえりなさい。」

お母さんに迎えられ、わたしは急いで制服を脱いで私服に着替えるとダイニングテーブルの前に座りました。
温められたご飯がてきぱきと置かれ、わたしはいただきます、と言ってご飯を食べ始めます。
先生は、いつもひとりでご飯を食べているのでしょうか。
それとも女の人と一緒に食べているのでしょうか。
そうですよね、先生なら彼女くらいたくさんいるはずです。
わたしはその中のひとりにすぎないのです。
でも、学校での先生はわたしを見ていてくれるから。
わたしはそれだけで嬉しいのです。そして幸せです。

だからこの幸せが少しでも長く続くように・・・

わたしはそう考えながら、やっぱり数学・・・寝る前にもう少し頑張っておこう・・って思いました。
だってやっぱり先生に褒められたいですからね!


なーんてやる気になっていたはずなのに、追試でもやっぱり50点に足らず・・・49点ですよ49点!先生の陰謀なんじゃないかと思ったんですけど・・・それくらい甘くみてくれてもいいのに・・・先生は許してくれるはずもなく、再追試になってしまったのであります・・・。

こうしてわたしの受難はまだまだ続くのです・・・。



おわり〜











   



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