実はわたし、結婚してます



【もしも玲斗と千穂が教師と生徒だったら】




翌日から、放課後はふたりきりのラブタイム・・・なはずはなく・・・恐ろしい恐ろしいスパルタ教育・・・。しかも先生ってばしっかりわたしの親に報告済みですよ。報告済み。
なんて言ったかって、「残念ながら、今の数学の成績では進学は難しいため、一から叩き込みますので帰りが遅くなるかと思いますがご心配なさらないでください。」ですよ!
うちのお母さんてば、「まーまーまー、こんなできの悪い子のためにわざわざ申し訳ありません。泣こうがわめこうがビシビシ鍛えてもらってかまいませんのでよろしくお願いします。」なんて言っちゃってるんですよ!
もう逃げることすらできないのです。
しかも今日も他の先生はいないし。なんてこったい、です。

「千穂。ここ違う。この公式を使ってなんでこの答えが出てくるんだよ。」
「す、すみません・・・。」
「とりあえずこの問題だけ終わったら今日のところは終わり。」
「え、ほ、ほんと?」
「嬉しそうな顔をする前に、終わらせろ。」
「はい!」

この問題だけ頑張れば・・・。わたしはじーっと問題文を眺め、何度も何度も読み返します。
かなり真剣ですよ。
絶対この問題を終わらせて帰るんですからね。
家に帰ればきっとお母さんがおいしいご飯を作って待っていてくれてるはずです。
ああー、おいしいご飯、早く食べたい〜。今夜のメニューはなんだろう。

「おい・・・。」
「はい?」

って・・・わー!!!
わたしってば妄想ワールドに突入してましたよ。
怖い顔で先生がわたしを見つめています。
最悪です。わたしとしたことが・・・ついついおいしいご飯を想像してしまっていました。

「そんなにやる気がないなら・・・。」
「え?」

ぐいっと顎を指で持ち上げられ、瞬く間に先生に唇を塞がれてしまいます。

「んーーー!!っふぁ・・・んーー。」

先生のデスクのとなりの席を借りて回転椅子に座っていたわたしの身体は簡単に、先生の真正面を向いてしまい、唇を塞がれたまま、わたしの身体は簡単に先生のひざの上に座らされてしまいました。
密着です。かなり密着してしまいました。
そしてここから先生の濃厚すぎるキスが始まるのです。
一瞬でも気を抜くとクラクラしてしまいそうになるので、わたしは両腕を先生の身体に巻きつけて、必死で先生のキスを受け止めます。
こんなお子様なわたしで、先生は満足できているのでしょうか。
時々不安になるのです。
決して好きだと言われたわけではありません。
いつの間にかこんな関係になって、先生の言われるがままになってるわたし。
いつかわたし、捨てられるんですよ、きっと。
もう飽きたから、とか言って。
だって先生はかっこいいですから、先生を好きな女子生徒はたくさんいます。そして先生を狙ってる女性教師がいるのも知っています。
そんな大人の女性に比べたらわたしなんてひよっこですよ。

「ぁ・・・ぃやぁ・・。」
スカートの中に先生の大きくて温かい手が入り込み、太ももに触れます。
指の感触が・・・あまりにも刺激的で・・・わたしはもう拒むことができなくなってしまうのです。

「そろそろやる気も出てきただろ?」
「え・・・なんのやる気・・?」

もう何も考えられません。

「千穂・・・お前なんのために居残りしてんだよ。」
「・・・。」

あれ・・・補習?

「忘れるくらい気持ちいいのか。」
「・・・。」

どうしてそんな意地悪なことを言うのでしょう。わかってるくせに・・・わたしが先生しか見えなくなってしまうこと、わかってるくせに。

「せんせ・・・。」
「その目は誘ってるのか。」

違いますよ。先生から・・・はじめたんじゃないですか。
そう思うけれど、そんなこと言えるはずがありません。

そうして、わたしは先生のなされるがままに、たくさん感じて、先生の愛撫に翻弄させられるのです。











   



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