実はわたし、結婚してます
実はわたしたち、結婚してます
おまけ
純白のドレスを纏った千穂は、真っ直ぐに俺だけを見つめていた。結婚してからも変わることのないその純真な瞳に俺はいつでも癒されてきた。そしてこの日も、俺は自分の妻に釘付けになった。
緊張気味に微笑むその顔を見て、そのまま連れ去りたいほどの衝動に駆られながら、その時間を過ごした。式なんて、と思ってはいたが、滅多に見られない千穂の華麗な姿を見ることもでき、何よりも千穂が幸せそうに微笑んでいたからまあ悪くはなかった。
「玲斗?」
見上げる千穂を組み敷いて、俺は何度もその愛らしい唇に自分のものを押し付けた。
「ねえ、待って。まだ・・・」
まだ千穂はドレスを纏ったままだ。披露宴で何度かお色直しをして、最後はピンクの軽いドレスを着ていた。そのまま式場のホテルの一室に戻り、ふたりでベッドに横たわったのだ。
さすがの悠斗も疲れたのか早めに就寝し、別室にて預かってもらっている。そのためか、ただの男としての俺の欲望はもはや限界に達していた。理性を抑えるものは何もない。
「千穂、今夜は初夜だな」
「しょ、初夜、って…もう結婚はしてるんだし」
「いいんだよ、初夜で」
まどろっこしい女だ。そういうところがまた可愛いんだけどな。
愛する女のドレスを脱がし、その滑らかな肌に顔を埋めることが男にとってどれほど至福なことか千穂にはわからないだろう。
エステにでも通わされていたのか、千穂の肌は艶やかで肌触りもいい。触れるたびに反応する千穂にまた喜びを感じながら、ゆっくりと千穂の体を堪能した。
「玲斗、愛してる」
一糸纏わぬ姿、潤んだ瞳でそう囁かれて、頭がどうにかなりそうになる。千穂はこの後どうなるかわかって言っているのだろうか。だとしたら覚悟の上か。
俺は千穂の耳元で同じように囁いた。
「愛してる」
END
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